先生とわたし

新潮2月号に載っていた、四方田犬彦の評論、『先生とわたし』を読み終えた。
四方田犬彦が、東大の恩師である由良君美について書いている文章。
一章から三章くらいまで読んでいた頃は、楽しかったんだけれど、四章以降がちょっと辛かったなあ。
最初は、ゼミでの由良君美との出会いや、ゼミの雰囲気など、すごくアカデミックな内容で興味深かった。その後、由良君美という人の生い立ちや背景など、その人となりが書き記されている。そのあたりもすごく面白かった。
ただ、四章からは、その由良君美が、いろんな要因でだんだん酒に溺れてしまう課程が描かれている。そして、四方田犬彦と一時決別するんだけれど、なんだか読んでいてすごく切なかった。
最後、由良君美のお墓参りに行くところで、、外で読んでいたのに、涙が出そうになってしまった。
でも、結局いろいろあったけれど、すべてを越えて、四方田犬彦って先生が好きだったんだなあ。すごく先生に対する愛情を感じた。それだけに、よけい切なくなったんだけれどね。
読後感は、なんとも言えない深い感銘があった。切ないけど、良かった。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/200703/editor.html
↑ここに、簡単な解説が出てます。

それにしても、師匠と弟子の関係って、いろいろ微妙だなあ、、と周りを見ていても思ったりする。