フロイトとユング

殺人者は夢を見るか(下) (講談社文庫)

殺人者は夢を見るか(下) (講談社文庫)

フロイトユングがニューヨークに講演のため出かけて、その先で出会う事件、というこのミステリー。
最初の数ページでしばらく止まっていたんだけど、読み出したら止まらなくなっちゃった。ものすごく面白い。
今朝は、電車を乗り過ごしそうなくらいの勢いで夢中で読んでいた。今、下巻の半分を過ぎたあたり。
この本の面白さは、いくつかのストーリーの柱が、からまりつつ展開していくところ。
一つは、殺人事件と傷害事件の犯人を追う、若い刑事を中心とした話。一つは、傷害事件の被害者を、フロイトの助言を受けつつセラピーする若い医者の話。一つは、フロイトユングの微妙な師弟関係。そして、もう一つが、フロイト精神分析アメリカで普及させることをなんとか邪魔しようとする人々の思惑。
そんないくつかのストーリーの柱が、からみあいつつ、どんどん展開していく様がとっても面白い!
フロイトって本当にこんな人だったのかなあ、、とかいろいろ想像するとわくわくしてくるし。
事件の犯人も、下巻の途中まで「きっとこの人に間違いない!」と思っていたんだけど、、なんかだんだん自信がなくなってきて、もしかしてこの先どんでん返しがあるかも。
う〜ん、これは私的には久しぶり大ヒットのミステリ−。
なんてったって、ウィーンで、フロイトの家まで行ったフロイトファンの私ですから。
あ、でも、この話の主人公はフロイトではないです。被害者のセラピーをする、若き精神科医が主人公。彼の目を通したフロイトユングの姿も面白いんだけどね。
あと少し。話の結末がとっても楽しみだ。それにしても、このミステリ−。どこまで史実に基づいているのかな。
家にあるこの本を読んで、ちょっと確かめてみたくなったりした。