- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: 単行本
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- 作者: 村上春樹
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ネタバレは避けて、簡単な感想だけ。
物語の主人公は男女二人。それぞれ交互に、その二人の章があってストーリーが展開していく。最初はばらばらに見えたその二人のストーリーが、実は重なってきて。
主人公は二人とも、1984年時点で30歳。ちょうど私の8歳年上だ。彼らの子供時代も出てくるんだけど、さすがにその頃の日本の風景にはまだ戦後がどこか残ってる感じ。私の子供時代にもまだ少しだけ戦後のかけらが残っていたもんなあ。私も、両親から第二次大戦の体験をよく聞いたし。母はあまり語りたがらなかったけれど、戦争中は北京にいて、敗戦後の中国から引き揚げてくるのはとても大変だったみたい。だから、主人公の父の語る、引き揚げ者の大変さもなんとなくわかる。
ストーリーはサスペンスミステリーのようでもあり、結構読みやすく、ぐいぐい読者を引き込んでいく。2巻になって、どんどん展開が恐くなり、はらはらドキドキしながら、どんどん読み進める事ができた。
読み終わってすぐ、思わずベランダに出て夜空を眺めちゃったよ。もしかして月が二つでてやしないかと思って、、。残念ながら東京の夜空は曇っていて月も見えなかった。
この本を読んで、いろんな事を考えさせられた。世の中の善悪の境目の曖昧さとか、絶対的な真理と人が思うことが実はとても脆いものだとか。人間の孤独とか。宗教の救いとか。そして、純愛について。何一つ求めず、相手の命を救うために自分の命を投げ出すことが、私にはできるだろうか、、とか。いろんな事をたくさん考えさせられた。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/02/03
- メディア: 文庫
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私にとって、本当に、心を動かされる作品だった。いつかまたじっくり読み返したい。
この作品で印象的に取り上げられているクラシック曲、ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』のCDがバカ売れしているらしい。小説の影響でCDが売れるなんて、なかなか無いことだとか。そうだろうなあ。この、本の売り切れ騒ぎといい、村上春樹という人の底力をつくづく感じさせられた。