パイは小さな秘密を運ぶ

パイは小さな秘密を運ぶ (創元推理文庫)

パイは小さな秘密を運ぶ (創元推理文庫)

虎ママさんに、「これ面白いよ〜。」と薦めていただいたミステリー。読まなくちゃ、、と思っていたのだけど、他に順番待ちの本があり、ちょっと後回しになっていた。
で、ようやく読み始めたら、本当にすごく面白くって夢中で読めた。
ストーリーはこんな感じ。

11歳のあたしは、イギリスの片田舎で、化学実験に熱中する日々をすごしてる。ある日、何者かがコシギの死体をキッチンの戸口に置いていき、父が尋常ではない恐れを見せた。そして翌日の早朝、あたしは畑で赤毛の男の死に立ち会ってしまう。男は前日の晩に、父と書斎で口論していた相手だった…。活溌な少女の活躍を温かくのびやかな筆致で描く、CWAデビュー・ダガー受賞作。

主人公で、この小説の探偵役の、11歳の女の子。この子がすごく魅力的なのだ。こましゃくれた生意気なガキ。でも、どこか憎めない。彼女は、1950年代のイングランドの片田舎に暮らしている。母はすでに亡く、父と、ちょっと意地悪な姉二人と暮らしている。化学実験にはまっていて、自分用の実験室にこもっては、いろんな実験を繰り返し、化学の本を読みあさっていろんな知識をもっていて、なかなか頭もいい。毒物の研究にも余念がなく、姉に意地悪されたら、やり返す方法をいろいろ考え出したりして。そんな彼女が、殺人事件の解決に大活躍。結構終盤ハラハラドキドキするシーンなんかもあり、目が離せない。でも、どこかほのぼの系なストーリーが、私はすごく好きだった。なにより、この女の子の生き生きした姿が楽しくて。
とても楽しく読めるミステリーなので、ミステリー好きな方には是非おすすめです。
ちなみに、この作者は、70歳で作家デビューしたとか。人の人生ってわからないね。私もこれから頑張ってデビュー目指そうかな?なんてね。