マティーニ

ドラマ“バーテンダー”では、カクテルについての蘊蓄話を楽しく聞いてる。パスティスは、フランス語のpastiche(模倣、贋作)から派生した名前だったのね。と、パスティス好きの私も知らなかった話を知ってちょっとびっくり。パスティスは、もともと、その時代に販売中止になったアブサンの製法を真似て作られたから、そういう名前になったんだそうだ。だから、ドラマの中では、医者のふりをしている詐欺師の男性に、皮肉として、“あなたをイメージしてお作りしました。”と、パスティスを差し出してる。なかなか演出がおしゃれ。

そして、ドラマの中に出てくる、キングオブカクテル、マティーニの話も興味深かった。世界中のバーテンダーが自分のマティーニを作るために努力している、、と。
昔、あるバーテンダーさんが、雑誌に書いていた文章を思い出した。やはり、バーカウンターで注文されて、一番緊張するカクテルはマティーニだそうだ。それだけマティーニは特別な存在なのね。

ひとりぼっち流花 (1) (講談社漫画文庫)

ひとりぼっち流花 (1) (講談社漫画文庫)

私が“マティーニ”というカクテルを初めて知ったのは、まだ小学生の頃。もちろん、実物を見た訳じゃない。その頃読んだ、『ひとりぼっち流花』という大和和紀のマンガに、出てきたのだ。主人公が好きになる男の子の、義理の母親が、かなりおしゃれで大人な女性なんだけど、その人が、「マティーニをいただくわ。オリーブはけっこう。」と言って、マティーニを飲んでいたシーンがとても印象的だった。「マティーニっていったいどんな飲み物なんだろう??かっこいい!私も大人になったら飲んでみたい〜。」とずっと思っていたのだ。晴れて大人になってマティーニを飲んでみたら、なるほど、あの美しくて大人で、意地悪だった、そのマンガの女性にぴったりな、クールでかっこいいカクテルだなあ、、と感動した。シンプルですっきりして、ごまかしのきかないマティーニだからこそ、カクテルの王様と呼ばれるのにふさわしいのかも。