追憶のカシュガル

進々堂世界一周 追憶のカシュガル

進々堂世界一周 追憶のカシュガル

島田荘司の新刊、『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』という本、旦那が面白そうだからと買ってきてくれた。新潮社のHPに紹介されているこの本の内容はこんな感じ。

西域と京都を結ぶ幻の桜、戦禍の空に消えた殺意、閉ざされた扉の奇跡、チンザノ・コークハイに秘められた記憶……。放浪の長旅を終えた御手洗潔が、京大裏の喫茶店進々堂」で話す物語は、時空を超え、思いがけぬ謎を孕み、人生の光と影を照らし出す。芳酵な語りと鮮やかな結末が、読む者を遥かな異郷にいざなう四篇の数奇な物語。

あの進々堂で、異郷にいざなう話が語られる、、というだけで確かに読みたくなる本だ。私は、数回旦那に連れて行ってもらっただけだけど、進々堂って確かに隅っこでそういう壮大な話が語られてても不思議ないなあ、、と思ったりする。
本は、4編の話からなっていて、今3編目を読んでる途中。3編目の“戻り橋と彼岸花”は、悲しくて切ないけれど、とても面白いお話。こういう話って京都が似合うなあ、、と思ったり。埼玉の日高というところに実際曼珠沙華がたくさん咲いてる場所があるらしく、いつか行ってみたいなあ、、なんて思ったり。いろんな事を考えたり、想像がどんどん広がっていくような素敵な小説だと思った。本の帯には“数奇な四編のミステリー”と書いてあるけど、ミステリーではないと思う。ミステリーではなく、小説だと思うけど、それはともかくとても面白い。そして、また京都を散策したいなあ、、なんてつい思う本だった。
この本の後書きに書かれてる、ワシントンのホテルで東日本大震災のニュースを見た作者の話に、胸をしめつけられる思いだった。みんないろんな場所でいろんな思いを抱えて生きてるんだよねえ、、。