駄作

駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ジェシー・ケラーマンの『駄作』という本を読んでみた。そもそも、この本を手に取ったきっかけは、『水の戒律』『聖と俗と』など、デッカー&リナシリーズが大好きだったフェイ・ケラーマンの息子が書いた本っていうのに惹かれたからだ。しかし、、この本がなかなかにくせ者だった。あらすじはこんな感じ。(訳者あと書きより)

物語は、行方不明になっている著名作家ビルの葬儀が行われるところから幕を開ける。ビルは主人公プフェファコーンの学生時代からの親友で、スリラー小説で世界的なベストセラー作家になった。プフェファコーンは昔からビルよりも文才があると自負しており、彼を通俗作家だとばかにして、自分は文芸作家として身を立てようとむなしくあがく。だが、著作を一冊は出したものの、まったくぱっとせず、成功した親友に激しく嫉妬する。ビルが新作に献辞をつけて送ってくるたびにむかつき、そのせいでこのところは疎遠になっていた。葬儀のあと、ビルの仕事場に残された未完の原稿を持ち出し、陳腐な常套句を削るなどの手直しを加えて自分の名前で発表したことで、プフェファコーンの人生は一変する。本が大ヒットし、大金を手にしたのだ。だが、、。

ここまでのあらすじは、まあミステリーの定番っぽい感じがすると思う。でもこの後の展開がもう奇想天外すぎて、私にはちょっとついていけなかった。とあるネットの書評で、“この本を一言であらわすと、「んなアホな」だ”なんて書いてる人がいたけど、本当、まさにその通り。「んなアホな」なのだ。まあほら、奇想天外も文学にはアリだと思うんだけど。私はちょっとのれなかったなあ。細かいところはユーモアや皮肉が効いてるし、人を食ってるおもしろさもあるとはわかるんだけど。でもなあ、、これは好き嫌いが分かれる作品だと思う。私はのれませんでした。ちょっと読み通すのに疲れちゃった。次はもうちょっとまともな感じの本を読みたいな。