人生の余白


この前、とあるイベントの為に「人生の節目の写真を選んでください。」と言われた。人生の節目かあ、、ってことで、慌てて手元にある写真やアルバムを確認した。高校卒業、大学卒業、社会人なりたての写真、そして結婚式の写真はあったんだけど。その後が特にないんだよね。子供でもいると違うんだけどな。出産とかお宮参りとか子供の入学とか卒業とか、、いろいろあるだろうね。写真も。でも子供のいない夫婦にはそんな写真はないんだよ。
〜子どもを産まなかった女の人生は、産んだ人より余白が多いのだろうか。〜
これって、伊吹有喜の『四十九日のレシピ』の中の主人公の台詞。なんだか今回ちょっと実感してしまった。別に日頃は、子供がいない事をそんなに気にはしていないのだけれど、時々こんな事実を突きつけられてちょっとドキッとする事がある。
余白に書き込める別の何かが有る、、と自信を持って言えると良いのだろうけどね。人生の微分が微かなものだとしても、ささやかな幸せの積分が確かにあることを喜ぶべきなんだろうけど。
同じく子供のいない友達にその話をぼそっと語ったら、共感してもらえた。そして、彼女が言うには、次の節目はきっと親の死かもしれない、、って。そうだね。そこって一つ節目になるかもしれない。私は今のところその節目はまだなんだけれどね。
そう言えば、先日の凱旋コンサートで感動的なオルガン演奏を披露してくれた友達から、お父様を亡くされて、お葬式をされたとの報せを受けた。彼女はきっとお父様のためにレクイエムを弾かれたのだろうなあ、どこかで。彼女はそうやって、また一つ、人生の節目を迎えられたんだろうと思う。