地上最後の刑事

地上最後の刑事

地上最後の刑事

この本面白いらしいよ、、と旦那に教えてもらって読んでみた『地上最後の刑事』。確かに、ものすごく面白かった。どんどん本の世界に引き込まれた。内容はこんな感じ。

小惑星衝突が迫り社会が崩壊しつつある世界で、新人刑事は地道な捜査を開始する。近未来ミステリ。ファストフード店のトイレで死体で発見された男性は、未来を悲観して自殺したのだと思われた。半年後、小惑星が地球に衝突して人類は壊滅すると予測されているのだ。しかし新人刑事パレスは、死者の衣類の中で首を吊ったベルトだけが高級品だと気づき、他殺を疑う。同僚たちに呆れられながらも彼は地道な捜査をはじめる。世界はもうすぐなくなるというのに……なぜ捜査をつづけるのか? そう自らに問いつつも粛々と職務をまっとうしようとする刑事を描くアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞作!

あと半年で小惑星が地球に衝突するという事が判明し、人類滅亡が避けられない事がわかっている世界。この設定がとても面白い。そんな世界になったら自分はどうするだろうなあ、、といろいろ想像してしまう。
仕事もやめて、自分のやりたい事リストを実行するために旅に出る人。絶望して自殺する人。麻薬や酒におぼれる人。ここの小説に描かれてる人たちは、「確かにもうすぐ世界の終わりって知ったらこうなっちゃうかも、、。」と思わせてくれる。妙にリアルだ。誰も修理やメンテナンスの仕事をする人達がいなくなるから、携帯電話はどんどん通じなくなるし、インターネットもかなり使えなくなるし、そもそもパソコンの調子も悪くなり、あちこちで社会にほころびが目立ち始めて。麻薬に溺れる人が増えて、麻薬取引が横行し、仕方ないから軽いドラッグは合法化してたりして。う〜む。そうなっちゃうかもね、、。
そういう末期的な社会の中で、でもこの主人公は淡々と事件を捜査して、真相を突き止めていく。それもすごいわ。
私だったらどうだろう。あと半年でこの社会が終わるってわかったら、どうするだろう。やりたい事をやるために、仕事はやめちゃうだろうか。でももしかしたら、、と一縷の望みを託しつつ、やっぱり仕事に行くだろうか。わからないなあ。精神的に弱いから、お酒やドラッグに頼っちゃうかもしれないなあ。といろいろ想像してしまった。SFとしてもミステリとしてもすごく楽しめた。
三部作でこの続編が出てるらしい。それもそのうち読んでみたいな。世界はきっとますます末期的状況になっていくんだろうな。ちょっと恐いけど。