- 作者: 瀧羽麻子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/02/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
この本は、短編6篇から成っている。海外の話と国内の話が交互に載っていて、サンティアゴ、津軽、上海、瀬戸内海の島、アントワープ、渋谷がそれぞれの話の舞台。どれも短編映画のように、鮮やかに映像が浮かんでくるような話だった。やっぱり海外の話に惹かれてしまう。サンティアゴって日本からは遠い果て、チリの街で、小学校の同級生と再会する話『サンティアゴの雪』は、ザワザワしたラテン系の国の食堂の風景がくっきり目に浮かぶようだった。う〜ん。この二人、この先どうなるかな?とかちょっと気になった。でてくるお料理が、ちょっとしつこそうだけど美味しそうだし、食べてみたいなあ、、って思ったり。
『瀬戸内海の魔女』の舞台の島は、直島なのかな?って。直島には行った事がないんだけれど、きっとこんな感じなのかなあ、、と。
『アントワープの迷子』も、すごく情景がくっきり目に浮かんだ。教会の鐘の音や、古いチョコレートショップの店先の様子、オープンテラスの賑やかなカフェの様子、いろんな情景がすごく想像できて、楽しかった。そうそう、ベルギーに行ったら絶対ビール飲まないとね。あの独特な美味しい生ビールは、ベルギーでしか飲めないものねえ。そして、こういう母親、、、いるよなあ、、って思ったり。なかなか面白かった。
そして、『渋谷で待つ』は、舞台が渋谷なだけに、書かれてる場所の様子が細かく目に浮かぶし、うんうん、、って思うところもあり。ちょっと切なく胸が痛んだ。でも、きっと待てば海路の日和あり、なのではないのかな?などと最後に思ったりした。
どれも、あっさりした話なんだけど、それぞれ色鮮やかに描かれていて、なかなか面白かった。私好みの1冊だった。さて、左京区シリーズ、残ったもう1冊を次に読んでみようかな。