千年後の百人一首

千年後の百人一首

千年後の百人一首

本屋さんで見つけて、思わず欲しくなって買ってしまった、『千年後の百人一首』。これ、本当に素敵な一冊だ。
最果タヒさんが、百人一首を一首一首新しい現代語の詩にしてくれていて。“そうだ、、今の感覚で言葉にすると、確かにこんな感じになる。”って思えるすごく新鮮な、百の詩になってる。ひとつひとつ、じっくり読んで楽しめて。ずっと手元に置いて楽しめそうだなあって思う。
どんな感じか、さわりをご紹介すると、こんな感じ。
たとえば、
「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」の歌は、こんな感じになってる。

船から、目を凝らしても、海と空と月がみえるだけ
それが永遠に続くような予感が私にはあるのです。
これまで渡ってきた海をたぐり寄せれば、
故郷の春日にだってたどり着くのだとわかっています。
それでも私には帰れないような、
世界が切り離されてしまったような、静けさが、
ぽたりぽたりと落ちてくる。
あの月はほんとうに、春日の三笠山からでていたあの月なのですか。

百人一首の世界が、1000年後によみがえった感じで。恋の歌なんかもとてもドキドキする、素敵な詩になっている。これは本当に楽しめる一冊で、すごく嬉しい。最果タヒさんって本当にすごい感性だなあ、、ってしみじみ思う。清川あさみさんの絵も素晴らしいので、おすすめの一冊。