フロスト始末

2007年に作者のウィングフィールドが亡くなったこともあって、フロスト警部シリーズもこれが最後。なんだか寂しいなあ、、って思いつつ読んだ。このミステリーがすごい!の2018年のこのミステリーがすごい!の海外ミステリ1位になったみたい。フロストってやっぱり面白いもんねえ。
さて、そのフロスト始末のあらすじはこんな感じ。

今宵も人手不足のデントン署において、運悪く署に居合わせたフロスト警部は、強姦・脅迫・失踪と、次々起こる厄介な事件をまとめて担当させられる。警部がそれらの捜査に追われている裏で、マレット署長は新たに着任したスキナー主任警部と組み、フロストをよその署に異動させようと企んでいた……。史上最大のピンチに陥った警部の苦闘を描く、超人気警察小説シリーズ最終作。

相変わらず、下品な下ネタ連発するフロスト警部。頭脳明晰でかっこいい主人公とはほど遠い感じ。それヤバいよね?みたいな事もどんどんやっちゃう。家宅捜索の許可が下りなかったら、こっそり勝手に家に忍び込んでごそごそ証拠品を捜しちゃうとか。デスクに隠したウィスキーをこっそり飲んでたり。そのウイスキーを飲んで、鎮静剤も飲んで、フラフラなのに車運転して家に帰ろうとしたり、、。日本では絶対無理だね。この人のドラマ化。まあ、イギリスのドラマ化作品でも、フロストはもうちょっと渋い刑事さんに描かれていたっけ。
事件に事件が重なって、いろんな事が次々起っていく。その絡まった糸がちょっとずつほぐれながら、どんどん最後に向かっていく感じが、やっぱりとても面白い。
ただ、今回、事件の中で、あまりに残酷な事件が有り。そのシーンを想像すると、気分が悪くなっちゃうくらいのものがあって。まあ、それが現実なんだろうけど、、ちょっと想像するとつらかったなあ。
最後の最後、オチは効いてて。この先もフロスト警部の世界は続きそうだったのに。作者が亡くなってしまったのはかなり残念だ。
ただ、訳者あとがきを読むとこんな感じの事が書かれていた。

さて、「フロスト始末」で終わるかにみえたシリーズだが、ウィングフィールド亡き後、遺族の許可を得たJ・グーバットとH・サットンという二人組が、ジェームズ・ヘンリーというペンネームで、巡査部長時代のフロストを描く長編を発表しはじめた。

おお、そうなんだ。フロストの若い頃を描く作品が新たに発表されつつあるのね。きっとそれも翻訳されるんだろうな。ちょっと楽しみかも。