晏子

晏子〈第1巻〉 (新潮文庫)

晏子〈第1巻〉 (新潮文庫)

宮城谷昌光さんの中国シリーズにすっかりはまっている私。今は『晏子』を読んでいて、ちょうど4巻に入ったところ。晏子のあらすじはこんな感じ。

強国晋を中心に大小いくつもの国が乱立した古代中国春秋期。気儘な君公に奸佞驕慢な高官たちが群れ従う斉の政情下、ただ一人晏弱のみは廟中にあっては毅然として礼を実践し、戦下においては稀代の智謀を揮った。緊迫する国際関係、宿敵晋との激突、血ぬられた政変……。度重なる苦境に晏弱はどう対処するのか。斉の存亡の危機を救った晏子父子の波瀾の生涯を描く歴史巨編。

晏子は晏弱晏嬰父子の2代にわたる物語。知略に優れ、勇壮な武将でもあった晏弱の活躍がめざましかった1巻〜2巻。なるほど、、ってうなる感じだった。そして、そのバトンが息子晏嬰に引き継がれ。晏嬰は身体は小さいながら優れた知性と品格をもち、君主にも堂々と正論を意見できる、ある意味理想の政治家だったようで。その二人のストーリーに、斉や晋の中のいろんな陰謀や人間模様が描かれていて、すごく興味深い。
羊頭狗肉」の元になった言葉「牛首馬肉」という言葉を使って、君主をいさめた晏嬰の話も面白かったんだけど。その話に関連して、ファッションの流行の話が出ていて。その時代、斉の国では一時、女性に男装が流行ったらしく。そもそもお妃が男装をしたのを、街の女性が真似て流行したそうで。なんと紀元前500年の時代に、もうファッションの流行が合ったなんて中国すごいわ〜、、とひたすらそんなところに感心しちゃった。ファッションリーダーがいて、その人がやめない限り、国のお触れで禁止されても流行がやまなかったっていうのは。女性のファッションに対する関心の深さが、今も昔も変わらないんだなあ、、なんてすごく感心しちゃった。そんな事を考えつつ読んでいると、いろいろ興味を惹かれる事も多くて。とても面白い話だった。