父の日と『鴨川食堂』

日にち遅れの日記をぽつぽつアップしているところだけれど。

イムリーな話題を書きたくなって、ちょっとあれこれすっ飛ばして、リアルタイムの日記を書いてみた。

yasukonさんのブログで、父の日にちなんで、お父様の事を書いておられたので。私も、ちょっとだけ父の思い出を書きたい。

父が認知症かな??と思う症状が現れ始めたのは2008年頃。その頃は、夜の異常行動が目立つようになってきた。

深夜に雨戸を開けたり、誰かが来てると母に訴えに来たり。

その頃から通院を始めて、介護認定も受け、デイサービスに行き始めた。

2011年の、あの東日本大震災の直後、薬を誤飲して、救急搬送される、などの騒ぎがあって、だいぶん異常行動が目立つようになってきた。

2012年には、レビー小体型認知症ではないかと診断されている。

2013年の11月に入院、2014年の1月に老健へ入所、その後2014年の6月に特別養護老人ホームに入所して、そこで2018年の暮れまで暮らし、2018年12月に亡くなった。

最後の10年は、闘病生活で、いろいろ大変だったなあ。

パーキンソン症状で身体はどんどん動かなくなっていったし。

頭は比較的しっかりしていて、わりあいと最期の時期近くまでいろいろ話ができたけど。それも日によって結構波があった。しっかりしている時もあれば、妄想ばかりで全然わからない時もあったし、やたら不機嫌で怒っている時もあった。

私は、2018年の5月に、中学の同窓会があったので、そのついでに帰省したんだけど。その時に父とおしゃべりできたのが、一番最後だったな、、って思う。8月にも帰ったんだけれど、その時の父は、もう私がよくわからないようだった。それはちょっと悲しかったな、、仕方ないけれど。

母の事はちゃんとわかってるのに、たまに会いに来る娘はわからなくなってしまって。

まあ、しょうがないよね。たまにしか来ないんだもの。

2018年5月、父のお見舞いに一人で行った時。なかなかご飯がうまく食べられなくて、他の入所者はみんなご飯が終わってるのに、なかなか食べれず、じ~っと食器を見ていた父を思い出す。あんなに食べるのが大好きで食いしん坊な父だったのに。

着いてすぐ、私がスプーンを持って、父の食事の介助をしたら、父、とっても喜んで食べてくれたなあ。あの時の笑顔が、今でも忘れられない。

 

この前、『鴨川食堂』というドラマの再放送を見た。

 

鴨川食堂 (小学館文庫)

鴨川食堂 (小学館文庫)

 

 小説をドラマ化した作品で、板前さんをショーケンが、そしてその娘で主人公の女の子を忽那汐里が演じている。

お店に依頼しにきた人の「思い出の味を再現する」というのがテーマのドラマなんだけれど。この前、織本順吉さんの演じるおじいちゃんとお孫さんの回を見て、なんだかものすごく父の事を思いだしてしまった。

思い出してしまって、すごく泣けた。涙がなかなか止まらなくなっちゃった。

この話は、おじいちゃん思いのお孫さんが、おじいちゃんと一緒に旅して食べたナポリタンスパゲティの味を探して再現してほしい、、と依頼してくるんだけれど。

老人ホームに入っているおじいちゃんは、もう、食欲もなくなって何も食べられなくなりつつあり、胃瘻をするかどうするか決断しなくてはならない、、という設定で。

そんなおじいちゃんに、ドラマの最後で、お孫さんが再現したナポリタンをおじいちゃんに食べてもらうんだけどね。そこでもう、泣けちゃって、、。

ぼんやりとした、もうろうとした頭の状態であっても、何かをきっかけにスッキリ思い出す瞬間がある。そんな瞬間を、織本順吉さんがものすごく迫真に迫る演技で再現されていた。

 

一番最後に、父に食事の介助をしてあげた時の、あの笑顔をなんだか思い出して。ちょっと胸が苦しくなっちゃった。

 

決して仲良しだけの父娘ではなかったし。

私は全く親孝行ではなかったんだけれど。そんな父娘でも、拾い集めるといろんな思い出があるし、鮮明に浮かんでくるシーンがあるよなあ、、、って。

そんな事、しみじも思った父の日でした。