フランス映画『Bienvenue chez les Ch'tis』


円高の今、本当は海外旅行に行きたいところだけど、海外に行くほどの財力も時間もない。なので、個人輸入でもするか、、とDVDを何本か買ってみた。そのうちの一本がこれ、『Bienvenue chez les Ch'tis』。2008年にフランスで大ヒットした映画らしく、なんとなく面白そうなので買ってみたんだけど、もうこれが最高に面白くて、夜中なのに、腹を抱えて大笑い。映画を見てこんなに笑ったのは久しぶり?と思うくらい笑えて楽しい作品だった。
ストーリーはこんな感じ。フランス南部の郵便局長の主人公は、奥さんのためにコートダジュールへ転勤願いを出していろいろ裏工作を試みた。ところが、それが裏目に出て、ふたを開けると、フランス北部の村への転勤決定。フランス北部って、寒くて雨ばっかりで暗くて、、そんなところ行きたくない〜!ということで、しぶしぶ主人公は単身赴任。でも、行ってみると案外北部はいいところで、部下はみんな気さくないい奴。なかなかこの暮らし快適かも、と思ったんだけれど、電話で奥さんにそれを説明しても全然信じてもらえず、、。
というところからストーリーが展開していく。
タイトル『Bienvenue chez les Ch'tis』は『Ch'tis達の地にようこそ』という意味で、Ch'tis(シュティ)とは主人公の転勤先、フランス北部に住んでる人たちのこと。
この映画を、音声フランス語、字幕は英語で見た。主人公がこの北部の村へ着いたところ、北部の村の人たちがすごく訛りがきつくて、???なんのこっちゃ??という部分。さすがに字幕でそれを表現するのはなかなか大変だったみたい。でも、一応言いたいことはわかったし、すごく面白かった。
映画の後半部分で、すごく笑えたのが、郵便配達担当の部下の話。その配達人、いつも郵便配達が終わって局に戻って来るとなんだかべろべろに酔っぱらってる。理由を聞くと、配達先で、何軒もの人に「一杯飲んで行けよ〜。」と言われ、断り切れずあちこちで飲んできて、最後にはすごく酔っ払っちゃってるということ。主人公の局長さん、「今日は僕が一緒に行って、みんなに断ってあげるから。」と行って、一緒に配達に出かけたんだけど、結局断り切れずに一緒に飲んじゃって、最後はやっぱり泥酔して自転車で大暴走〜!もう、このシーン、おかしくて大笑いしちゃった。

そこで思い出したのが、私がミュンヘンに住んでいた頃の郵便配達のおじさんのこと。さすがに、酔っぱらってはいなかったけど、毎日愛犬連れで郵便配達に来ていた。そして、いつも配達にすご〜く時間がかかっていた。隣の辻まで配達に来てるからもう来る?と思って待っていても全然こっちに来ないから、どうしたのかなあ、、と思うと、いつも配達先の人とず〜っと話し込んでいた。ある時、珍しくわんちゃんが一緒じゃなかった時は、私も思わず、「わんちゃんどうしたの??」と尋ねたら、怪我しちゃって、、と答え、ひとしきりわんちゃん自慢をして帰って行ったよなあ、、。本当に話し好きのおじさんだった。まあ、もう10年以上前のことだから、あの頃はのんびりしていたのかも、、。今はもうちょっとドイツの郵便配達の人も忙しいのかな?なんだかこの映画を見ていて、あの配達のおじさんのことをすごく思い出してしまった。
それと、もう一人思い出した人が、、。ミュンヘンで通っていた、フランス語学校の先生。彼は南フランス出身で寒いのが大嫌い。配属願いはイタリアかスペインだったのに、なぜだかミュンヘンになっちゃって、、とすご〜くぼやいていたなあ。で、その後もずっとイタリア転勤願いを出し続けてるけど、そろそろイタリアに行けないかな、、なんて言ってた。ドイツは嫌い、なんて平気でドイツ人の生徒達の前で言うから、みんなちょっとむっとしてたよなあ、、。彼はあの後、無事希望のイタリアへ転勤できたんだろうか、、。
いろんな事を思い出しつつ、爆笑しながら見れて、本当に楽しい映画だった。なんか悲しいことがあった時は、これを見て元気を出そうかな、、。