事業仕分けも後半に入って、毎日いろんな結果が報道されている。
そして、それに対して、科学者達も反論声明を出してたりするよね。野依氏の「将来、歴史の法廷に立つ覚悟でやっているのかと問いたい」という言葉、私も共感。将来の日本を考えて、事業仕分けを考えてくれているのかな。
私のボスも、他のいろんな研究者の方々と、共同声明を出した。その一部を紹介します。
平成２１年１１月１３日に行われた行政刷新会議の事業仕分け作業において、国家基幹技術として理化学研究所を中心に開発が進んでいる次世代スーパーコンピュータプロジェクトが、「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」と結論された。これが現実となると、スーパーコンピュータが牽引している、世界をリードする我が国の最先端ものづくりが広範囲に大打撃を受ける。世界最先端で競っている我が国の科学技術にいま急ブレーキをかけるようなことがあれば、それは、関連する我が国の広範な最先端科学技術に大きな影響を与えるばかりでなく、事実上の世界競争からの敗退を意味し、二度と復活することはかなわなくなる。世界の次世代基幹産業技術と期待されるバイオ創薬、ナノデバイスなどの開発において欧米の後塵を拝してしまうほか、基幹ものづくり分野の基盤ソフトウエアであるCAD/CAEソフトの開発においてもわが国が世界を牽引して行くことが不可能な状況となる。
今、ここで撤退してしまうことが、将来にどれだけ大きな禍根を残すのか、よくよく考えて欲しいなと思う。
