月島物語ふたたび

月島物語ふたたび

月島物語ふたたび

四方田犬彦つながりで、今度は『月島物語ふたたび』を読んでいる。
これは、以前に刊行された『月島物語』を復刊し、かつ新しく対談や、2006年再び月島を訪れて書いたエッセイを加えたもの。

『月島物語』は、以前文庫版を読んだ。その時初めて四方田犬彦という人を知ったんだけれど、それは確かもう6年くらい前の事だったと思う。
久しぶりに古い部分を読み直してみると、昔よりずっと月島の地理が頭にはいっているので、すごく面白い。なんと言っても、自転車でかなり狭いところまでくまなく走っているから。
でも、この四方田犬彦が月島に住んでいたのは1988年から1992年頃の話で、今とはかなり様子が違う。この時点で、すでにリバーシティなどが建設され始めてはいるものの、まだ狭い路地と長屋が建ち並ぶ、下町らしい風景だった月島。

2006年に再訪した四方田犬彦も驚いているけれど、今は、かなりの古い建物が取り壊され、高層マンションががんがん建つ街に変貌している。
とはいえ、やっぱり月島って、まだ少しは古い雰囲気が残っていて、大好きな場所なんだけれど。
もう一回、じっくり読んでみようと思う。
2006年、彼が再訪した時の事を書いている部分で、ちょっと笑えたのが、長屋で隣に住んでいたおばさんの家に招かれたところ。偶然路地で再会したおばさん、すぐに家に招き入れてくれたんだけど、そのおばさんがふるまってくれたのがお茶とモツ煮。
モツ煮かあ。そこがとっても月島らしいな。また美味しいモツ煮が食べたくなった。