最後の魚松さん@29日金曜日

雨は夜更けすぎに雪へと変わるだろう?という天気予報に脅かされた金曜日。仕事をなんとかやり終えて電車に飛び乗った。土曜日で閉店してしまう魚松さん。土曜日は悪天候で行けないかもしれないし、最終日でみんながいろいろ注文するかもしれないし、、と、金曜日に旦那と待ち合わせて買い物に行くことにしていた。
もうこれで最後だし、と、ちょっと奮発して、お刺身の盛り合わせに加えて、ぐじ(甘鯛)の焼いたのをお願いしておいた。職場を出る前に念のため確認の電話したら、大将、「美味しいのできてるよ〜!」って。これで最後なんだなあ、、ってしみじみ思いつつ、木場で降りて魚松さんへ。魚松さんでは、最後の挨拶をして、ちょっとおしゃべりして。最後に大将に写真を一緒に撮ってもらったりした。どうやら他のお客さんも、何人も大将の写真を撮らせてくれってお願いしたらしい。気持ちわかるわ。それだけ大将ってみんなに愛されてたんだよねえ、、。ネットの江東区の情報が載ってるHPにも魚松さんの閉店の事が出ていた。木場の鮮魚店「魚松」が閉店 1世紀の歴史に幕 - 深川経済新聞

年越しの時とか、クリスマスとか、花火の日とか、何か記念日に何度もお願いしたお刺身の盛り合わせ。もうこれで最後かあ、、って思うとすごく寂しい。「最後だからサービスしておいたよ!」って大将の言ってた通り、なんだかとってもいっぱいお刺身がはいってて、どれも美味しかった。ひらめの縁側まで。ひらめとかブリとか、マグロのトロとか。いろんなお刺身がどれも一つ一つ美味しかった。美味しすぎてなんだかよけい寂しくなるけど。一つ一つ、味わっていただいた。

ぐじも、焼いていただいていたんだけど、これはさすがプロ!って思う上手な焼加減で、塩加減もちょうどいい感じ。それで味がパーフェクトに完成していて、何も調味料をプラスしなくてちょうどいい味だった。ぐじの身は柔らかくて、香りも良くて、もっちりしててとても美味しかった。そうそう、ぐじって本当に美味しいお魚なんだよね。お魚の焼きをお願いする、というような贅沢はあまりした事がなかったんだけど、やっぱりこの塩加減と焼加減はプロだわ。あ〜。でも、もうこれが本当に最後の最後なんだなあ、、って思うと。本当に寂しい。でも、81歳の大将はきっと少しホッとできるんだろうね。今まで働きづめだっただろうから、少しのんびり楽しんでいただけたらいいな、、って思ったりもする。

スパークリングワインを飲みつつ、魚松さんとのお別れを惜しんで、大事にお魚をいただいた。それにしても、やっぱり寂しいな。少し長く生きた方ならわかるだろうけど、あの「前略おふくろ様」の舞台がこのあたり、そう、あの「分田上」そのもの、また一つ、あの空気が消えていくのは虚しいよ。