タッチ・オブ・スパイス

タッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション [DVD]

タッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション [DVD]

旦那がTSUTAYAで借りてきてくれたギリシャ映画。めちゃめちゃ私のツボだった。ギリシャでは、2003年に大ヒットしたらしい。日本での公開は2005年だったらしいけど、私見てなかったなあ。こんなに好みの映画だったのに。ストーリーはこんな感じ。

1960年代、トルコのイスタンブール。スパイス店を営むおじいさんの家で、暖かい家族、大好きな友達に囲まれ育った少年ファニスは、屋根裏部屋でおじいさんからスパイスの効用、天文学の話を聞いて育つ。そんなある日、戦争の煽りでギリシャ人強制退去の命を受け、「後で追いかける」と言うおじいさんを残して、一家はアテネへ移住。しかしおじいさんとは会えないまま時は過ぎ、ファニスは料理の上手な子供から青年へ、そして天文学者へと成長する。やがて、いよいよおじいさんから移住の連絡が入る。しかし歓迎の料理を作り、家族皆でおじいちゃんの到着を待つ席で電話のベルが鳴る。おじいちゃんが重い病で倒れてしまったのだ。

スパイスの話が、まずすごく面白くて興味深い。塩、胡椒、クミン、シナモン、カルダモン、パプリカ、いろんな調味料が出てきて面白いし、トルコ料理ギリシャ料理がとても美味しそう。何が食べたい?というと、肉団子、と答える幼なじみの子供。そうかあ、やっぱり肉団子が好きなのね。などと、料理にまつわる話がすごく面白い。
そして、トルコとギリシャの間の争い、キプロスを巡る戦いなどに翻弄されるトルコのギリシャ系住民たち。その問題にもいろいろと考えさせられる。“コンスタンティノープルは世界で一番美しい街だもの。おじいちゃんが離れられるわけがない。”って悲しそうに言う父の姿が、なんだかとても悲しかった。コンスタンティノープルを心から愛していたけれど、だからといって、イスラムに改宗するなんてできないよね。
と、いろんな事がいっぱい詰まった映画で。大人になってからの主人公を演じてる役者さんもなんだか魅力的ですごく素敵だったし。本当に私にはツボの映画だった。いつか死ぬまでにイスタンブールに行きたいなあ、、って、しみじみ思った。