萩原朔太郎「旅上」

ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背廣をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。

近未来のフランスをテーマにした小説『服従』を読んで、いろいろパリの風景を思い出したこともあり、なんだか今は萩原朔太郎の気分だ。ふらんすへ行きたしと思へども、ふらんすはあまりに遠し。

せめては昔撮った写真など眺めて想い出にひたろう。またいつか行けるかなあ。行ける時に何度も行っておいたのは良かったな、、と思うけど。