風の電話と3月11日

3月11日金曜日。今週の金曜日は、あの東日本大震災から5年たって、また同じ金曜日11日が巡ってきた。その日、仕事中だったけど、こっそりデスクで黙祷した。さすがにお昼休みにも、ついみんなであの3.11の日の思い出話をしてしまった。あの日の事は決して一生忘れることはできないなあ、、って思う。

11日は、近所の会社も半旗を掲げていた。
そんな11日の前日、木曜日。NHKスペシャルで放送された「風の電話」を何気なく見た。番組の内容は、こんな感じだった(番組HPより)

津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町。海を見下ろす高台の庭園に、不思議なたたずまいの電話ボックスがある。その名は「風の電話」。中にあるのは、線のつながっていない黒電話と1冊のノート。亡くなった、あるいは行方不明になった家族や友人ともう一度言葉を交わしたいと願う人々がここで受話器を握り「会話」をする。震災直後、地元の人が「遺族と故人が心を通わせる場が必要」と設置したのが始まり。ノートにはすでに訪れた無数の人の思いが綴られている。東日本大震災からもうすぐ5年。復興が徐々に進んでも、大切な人を失いなかなか前に進めずにいる人たちが数多くいる。口に出すことのできない思いを抱える人たちにとって風の電話は大切な支えになっている。
番組では電話ボックスに密着。そこに通う人たちは、この5年間、どのような日々を生きてきたのか。そして、節目となる年をむかえ、受話器の向こうの大切な人に何を伝えて次の一歩を踏み出すのか。海辺に建つ小さな電話ボックスを通して、被災地に生きる人びとの喪失と再生の5年間を見つめる。

震災関係のドキュメンタリー番組をいろいろ見てると、ついつい涙腺がゆるんでしまう事があるんだけど、この番組は本当にもう、最初っからなんか泣けてきて、途中ぼろぼろ涙が止まらなくなってしまった。
電話線のつながっていない電話。なのに、ダイヤルを回している人もいて。そこで、みんな亡くなった人に話しかけている。私も、たまに亡くなった親友に心の中で話しかける事があるんだけど、震災で突然に家族を失った人は、そりゃもっといっぱい話したい事が有っただろうし、この電話がつながって、相手の声が聞こえるんじゃないか、、って思いたくなるだろうと思う。家族を突然に奪われてしまった人は、5年ではとても心の整理なんてつかないと思うけれど。それでもみんな、どこかで折り合いをつけながら、毎日生きているんだろうね。

かぜのでんわ

かぜのでんわ

風の電話。私はこの番組を見るまで知らなかったけれど、こうやって絵本にもなってるんだね。震災から5年めの3月11日。今、自分がここにいること、ここに生かされていることをもう一度ちゃんと見つめ直さないといけないなあ、、としみじみ思った。自分にできる事はそんなに何もないんだけれど、とりあえず一日一日を大切に生きていかないとね。
この番組、13日深夜にも再放送があって、ネットでの反響も増幅してるみたいだけど、BS1で17日21時に放映されるドキュメンタリー「もう一度、会いたい~亡き夫の人生を追って~」も力作のようだ。予告を見ているだけで、また涙腺ゆるんでしまった。震災とは直接には関係しないけど、遺された人の心を見つめていて、今の心象ではきつそうな内容だなあ。でも、勇気を持って見ないとね。