- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/05
- メディア: 単行本
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東大阪の、最底辺、つぶれそうな女子大から、千葉県のはずれの、やっぱりつぶれそうな最底辺の大学に移ってきたクワコー。
桑幸は年を追うごとに知的に後退し、加速度的に脳細胞が死滅した。それでもレータンには、かろうじて自分の名前とひらがなカタカナが書ける程度の、いわゆるサル学生しか棲息していないため、それでとくに困ることはなかった。
、、て、おいおい。という感じなんだけど、全編こんな感じで、結構皮肉がきいてる。そのクワコーが、異動先の大学で顧問になった文芸部の個性的な学生達と、ちょっとした事件を解決しちゃう、ミステリーのようなコメディのような作品。もう、そこの女子大生の会話が、宇宙人なみで、私からしても結構理解の範疇を超えてる感じ。それも面白い。
この作品、3回か4回くらいのドラマの原作になりそうだなあ、、なんてちょっと思った。なかなか軽妙でウィットがきいてて、ドラマ化しても面白そうだと思う。作者の奥泉光さんは、芥川賞も取ってるのね。だからたぶん違うトーンの文体も書けるんだろうと思うけれど、この作品はとても軽くて読みやすかった。今、近畿大学の教授もされてるみたいなので、きっと大学の内情にも詳しいのね。