- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2006/03/10
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映画はモノクロで、昭和31年作で、川島組の逸品の一つ。昭和31年ってまだこんな感じだったんだなあってしみじみ思う。映画の最初に出てくるのが勝ちどき橋で、橋梁そのものは今と変わらない。「あ、橋の上のちょうどあのあたり。」なんてすぐわかる。毎週のように通ってるし、今日も通ってきた。でも、橋の上から見る風景は、今と全然違うよね〜。二人は勝ちどきからバスに乗って、洲崎弁天町で降りるんだけど、そこの風景も今とは様変わり。でも、あ、あの橋の上から向こうが遊郭だったのね、、あそこは川だったんだ、、なんて今の面影を残してるからすごく面白い。映画は、新珠三千代と三橋達也が主演のカップル。新珠三千代は、若くて細くてきれい!私にとって新珠三千代=細うで繁盛記のヒロイン、っていうイメージのみだった。他の作品を初めて見たんだけど、この映画のヒロインは、繁盛記の時のこいさんとはだいぶん雰囲気が違ってた。勝ち気でチャキチャキしてて、着物でいきなり走り出しちゃったり、なんだかとても闊達で、でも色気もあって、すごく魅力的な女性。三橋達也の方は、イケメンなんだけど、なんともだらしなくてはっきりしないダメ男っぷりがまた面白い。二人の演技はとても上手で、つい画面に目を引きつけられるんだけど、やっぱり一番気になるのは街の風景かな。昭和30年代のはじめ頃のこのあたりってまだこんな感じだったんだなあ。東陽町からもう少し海沿いは、ちょうどどんどん埋め立てをしてる時期だったのね、、なんて。江戸時代、洲崎は海岸線で、名所江戸百景や富嶽百景に描かれているし、感慨深い。たぶん、いつも行く魚屋さんの大将はこのあたりがこんな風景だったのを知ってるし、見てたんだろうなあ、、って。そんな事も、映画を見ていて思ったりした。またあの映画のロケ地探索に行って、写真を撮ってこようっと。