この前から楽しんで読んでいた『更級日記』を読み終えた。
やっぱり最後までとても面白かった。
最初のみずみずしい少女らしい時代から、最後、51歳で夫と死別し、一人住まいで自分の人生を振り返るところまで。読みやすい文体で、正直な気持ちを綴っているのが、彼女の人柄も感じられて、共感しつつ楽しく読むことができた。
平安時代、今から1000年近くも前の時代に生きている女性なのに、こんなに共感ポイントがあるとは、すごく驚きでもあった。よくこれだけキチンといろんな気持ちを書き残してくれたなあ、、と思う。そして、藤原定家が、この日記を書写して、よく残しておいてくれたと、すごく感謝したい。
宮仕えの楽しみは、親しい友を得ること、気心のあった友と語ること、、なんてくだりは、今も昔も一緒だ!私も同じ気持ち、、って思った。
日記の最後のあたり、夫を亡くして、悲しみ嘆くところを読んでいて、彼女の気持ちが痛いほど伝わってきた。
「かうのみ心に物のかなふ方なうて やみぬる人なれば 功徳もつくらずなどしてただよふ」(こんな風に何事も思う通りにならないで終わってしまう人間なので、今なお功徳などをつくるということなどもせず、ふらふら過ごしている)
夫を亡くし、その失望、落胆の淵から、ただよふような心になっていた筆者が、最後に、精神的な転機を得るところ、感動的だった。その精神的な転機をもとに、彼女はひとり、人生を振り返りつつ、この更級日記を書き上げたんだろうな。
それにしても、こんなに古典、昔の日記が面白いとは思わなくて。これは他のも読んでみたい!と思って、次はこれを借りてきた。
更級日記が面白かったからといって、他の日記が自分にピンとくるかどうかはわからないけれど、ちょっと読んでみようっと。