更級日記

先日、テレビ番組で更級日記について見て、どうしても読みたくなり、図書館で借りてきて、今、通勤電車で読んでいる。

新版 更級日記 全訳注 (講談社学術文庫)

新版 更級日記 全訳注 (講談社学術文庫)

 

それにしても、更級日記がこんなに面白いとは。今までちゃんと読まなかったなんて、損してたかも?と思うくらいすごく面白い。

 この関根慶子さんの本の構成もすごく読みやすくて、すらすら読める。最初に原文、その次に現代語訳、そして、語彙の解説、参考説明文、という構成なんだけれど、解説がすごくわかりやすくて興味深い。

筆者の菅原孝標女は、小説が大好きで、源氏物語の噂を聞いて読みたくて仕方なかった。最初、少女の頃、上総の国(今の千葉県)に下っていて、そこではなかなか入手の難しい源氏物語をなんとか読みたくて。等身大の薬師如来像を造って、「なんとか早く京都に上って小説を読めますように」なんてお祈りしちゃう。

念願かなって京都に上り、親戚に源氏物語全巻をもらったら、もう嬉しくて、家に閉じこもってずっと読みふけるあたり、なんとも可愛らしいし、共感できる。

そうそう、小説を読んでると、その世界に浸れてすごく楽しいんだよね、、って。それは平安時代の女子でも、現代の私でも同じなんだなあ、、って。

大好きだった継母と別れるところや、仲良しの姉が亡くなるところ、父がようやく任官できたと思ったらまた常陸国にくだらなくてはならないところ、、など。彼女のいろんな身の上話はとても興味深いし、彼女のみずみずしい感性が文章に溢れているなあ、、ってしみじみ感心した。

家庭の事情で結婚がすごく遅くなったんだけれど、ようやく結婚した時の感想が、「物語の貴公子(光源氏)を夢見ていたとしても、この現実は意外に望みとはかけ離れてしまった、、」などと書いていて。笑っちゃった。そりゃ現実には光源氏や薫の君なんていませんって。

いろいろ妄想していたところと現実は違うものだなあ、、なんて。そんな感想を持つのはきっと昔の人も今の私も一緒なのね。

更級日記、ほぼ4分の3くらい読んだんだけれど、まだまだ楽しみ。