テレビあれこれ

NHKスペシャルの『シリーズ原発危機第1回 事故はなぜ深刻化したのか』を見た。事故発生からまだ3ヶ月もたっていないし、事態が収束しているわけでもないので、まだまだ完璧な検証ではないと思うけれど、内容はとても重く、とても興味深かった。
結局、トラブルが起きた時にどうやって修復するのか、というところで、一の手がダメなら二の手三の手、、という次善の方策が考えられていなかったように思う。原発は安全、という神話があったから?でも、もうちょっと危機感を持って防災訓練とかして手順を確かめておく必要があったのではないかと思う。まあ、今さら言っても遅いんだけど、、。ただ、他の原発で同じことが起きないように、ちゃんと今回の教訓を生かして、何重もの安全対策をしっかり考えておいてほしいなあ、と思う。
電源車をかき集めたはいいけど、ケーブルが届かないとか、取り口があわないとか、、それはやっぱり天災が起きる前から考えてないからでしょ、、と思うし。やっと電源がつながったら、パイプが壊れて動かなかったとは。そこまで確かめるにもだいぶん時間がかかってしまっているし。せっかくベントを決断しても、電気で弁を開く方法しかマニュアルになかったから、手動であけるためには、設計書を引っ張り出してきて、どこをどうやったらいいか一から検討しなくちゃいけなかったとは、、。しかも、たぶん真っ暗の中だし、下の方は津波の泥で大変だっただろうし、、いろいろ困難はあったんだと思うけど。それにしても、、う〜む。
一連の話の中で、なぜ菅総理が福島までわざわざ出向かなければならなかったのかもわかった。ただの視察じゃない。それだけ彼には事故の重大性がわかっていたのだと思った。そして、東電に出向いて、「撤退は許されない!」と怒鳴りつけた真相もわかった。あの重大な局面の中で、もうちょっと役所、東電、官邸をうまくつなぐつなぎ役がやれる人がいなかったのかな、、気持ちがいろいろ行き違ってしまうことが、ああいう場合とても恐いことだと思うのだけれど。今検証すると、いろんな意味がわかってくるけれど、あの場ではわからなかったよなあ。
それにしても、SPEEDIを公表しなかった意味だけはいまひとつわからなかった。あれが一番必要だったのは、3月12日〜20日頃までだったのに。今みたいに、放射性物質の量が少なくなってからではほとんど意味がないけど、水素爆発して、一番拡散した時に必要なシミュレーションだったのになあ。しかも、隠す意味がいまひとつわからん。だって、水素爆発したのはみんなテレビで見て知ってるわけだし。まあ、風向きは天気予報を見てればわかったけど、、でも、せっかく統合したシミュレーションで情報が見れるんだから、そこで使わなくちゃ、、と思うんだけどね。あそこをなぜ公表しなかったのかは、いまだに理由がよくわかんない。
こんな、とても興味深い番組内容だったので、興味のある方は、是非再放送でチェックしてください。夜遅いので、録画予約しても、できれば見て、いろいろ考えてほしいと思った。
再放送は、6月13日(月)午前1時30分〜2時28分総合(12日深夜) ※近畿ブロックは午前1時43分〜2時41分らしい。で、原発事故シリーズは、第2回が7月3日の放送予定。“人と社会を襲った放射性物質”というタイトルでの放送予定みたいだ。それもチェックしなくては、、。
そして、Nスペの後は、ETV特集『続報 放射能汚染地図』を見た。先月放送された、放射能汚染地図の続編。この番組の中で、原発から1.7キロの地点で採取した土の中にプルトニウムが検出されたということが、ニュースでも報道されていた。ただ、まあ、採取された土の中からプルトニウムが発見されたのは、あちこち調べた中でも、そこ一カ所だけだったから、そんなに慌てることはないと思う。1.7キロといえば、本当に直近の場所だし。
番組の中で言われていたことは、「今回の福島の事故の特徴は、チェルノブイリと違って、プルトニウムストロンチウムなどの物質はずっと少ない。ただ、福島の特徴は、セシウムが多いこと」ということだった。同じ放射性物質でも、それぞれ特徴が違うのだから、じゃあ福島の場合はどういう対策が有効なのか、、セシウムが多い場合はどういう対処をすればいいのか、これからそういう具体的なところを教えてほしいなあと思う。
あと、やはり狭い範囲でも、放射線量の多い場所、比較的少ない場所、土壌でもいろいろ差があるようだ。ということは、ある程度事故が収束してきたら、避難地域に戻りたい人も多くなってくると思うし、その場合、どの場所が大丈夫なのか、どこがダメなのかというところを本当に細かく調べていく必要があると思う。すごく大変だけど、それは行政がやるべきでしょう。