29年ぶりの電話


「あの時祝電もらったやん。私お礼言ってなくて、、。30年もたったけど、ありがとう。今頃ごめんね〜。」
という台詞も、例の玉手箱に入っていた。

玉手箱にはまだまだいろんなことが潜んでいて、挙式から数えて29年ぶりに開いた物もある。
その一つが結婚式場に送っていただいた祝電だ。私宛の祝電を読み返してみた。ほとんど会社関係だったんだけど。個人名のもので気になるものを再発見。「あ、、これ、、祝電もらったのにお礼も言わずにそれっきりになってた分だ。」と。また私のいい加減な性格が招いた過去の失敗が明るみに。思わず旦那に、言い訳しながら説明。
その祝電は、高校時代の同級生の女の子が送ってくれたものだった。高3の時にとても仲良しだった彼女。一緒に授業をさぼって海を見に行ったり、、などと悪い事を一緒にした仲間でもある。高3の多感な時期に、いろいろ恋バナをしたのも懐かしい彼女。大学に行ってからちょっと疎遠になっていたんだけど、ちょうど私が結婚する一週間前にばったり駅で出会って。
「私、来週結婚するねん。」と報告したら、すごく喜んでくれて、なんとちゃんと祝電を打ってくれたのだ。そして、彼女もその後すぐ結婚する、、と言っていたのに。私の方はついついいろんな事に取り紛れて(新生活と仕事の両立とか結構きつかったのだ、、と言い訳させてください。)彼女に連絡を取りそびれていた。彼女の結婚相手もよく知ってる人だったのに、、。私ってば本当にアホで怠慢で人間としてダメな奴でした。
で、そのままその記憶は封印したまま30年近くたって。突然目の前に現れた祝電。これは、、やっぱり今からでも謝らなくては。と思い立ち、そういえば、彼女の旦那さんになった人と同じクラブ出身の友人なら知ってるかも、とそのお友達に連絡してみた。そこで無事、旦那さんの住所と電話番号を突き止めた。
で、思い切って彼女に電話してみた。ものすご〜くドキドキしながら。でも声を聞いて名乗った瞬間、あっという間に30年の時間を飛び越える事ができた。あっという間に昔の私たちに戻れた。やっぱり旧友っていいもんだね。
冒頭の台詞を一気に吐き出し「今頃ごめんね〜」と語りきって、一瞬の沈黙。
ウケました。
祝電を打ったのは気持ちだし、そんなお礼言うとか気にしなくてよかったのに、、と言ってくれた彼女。「それにしても今頃どうしたん?過去の清算でも始めた?」と聞いてくれたので、ざっとMさんの事や玉手箱の事を話した。
そうしたら、彼女、「私にとって、Mさんはとても大切な友人だったんだよ」と語り出した。全然知らなかった事実が文箱に隠れていた。もしかして、この電話をかけるきっかけもMさんが私に与えてくれたのかも、、。その後は、失われた29年を取り戻すべく頻繁にメールをやりとりし始めた。私にこんな大切なお友達取り戻させてくれたMさんには本当に心から感謝したいな。