悪女は自殺しない

悪女は自殺しない (創元推理文庫)

悪女は自殺しない (創元推理文庫)

この前『服従』を読んで、結構胸にず〜んと応えたんだけど、でも今回の『悪女は自殺しない』は、その気分転換にとっても良い感じだった。正統派ミステリーで、「え?どうなるの??」と思いつつ、わくわくドキドキしながら読めたし、主人公の刑事オリヴァー&ピアのコンビがなかなか魅力的なキャラで楽しい。登場人物は、どれもドイツの刑事ドラマに出てきそうな面々で、なんとなく顔とか服装とか目に浮かぶ感じ。すごく面白かった。内容はこんな感じ。

ドイツ、2005年8月。警察署に復帰した刑事ピアを待ち受けていたのは、上級検事の自殺だった。時を同じくして、飛び降り自殺に偽装された女性の遺体が発見される。実際は動物の安楽死に使用される薬物による毒殺で、夫の獣医や彼の働く馬専門動物病院の共同経営者たちが疑われる。だが刑事オリヴァーが指揮を執る捜査班が探るうち、被害者へのとてつもない憎悪が明らかになり、さらに背後に隠されたいくつもの事件が繋がりはじめる。謎また謎の果てに捜査班がたどりつく真相とは。『深い疵』の刑事オリヴァー&ピアが挑んだ“最初の事件”。〈ドイツミステリの女王〉の人気に火をつけた警察小説シリーズ第1弾!

自殺に見せかけて殺された被害者。調べれば調べるほどとんでもない悪女だった。確かに悪女は自殺なんかしないわよね。事件はどんどんすごい広がりを見せるんだけど、面白くてどんどん読めちゃう感じだった。
ドイツとかイギリスとかって、郊外に行くと結構普通に馬がいたりするのよねえ。これも馬術クラブが主要な舞台になってるんだけど、こうやって馬を趣味にする田舎のお金持ちっていっぱいいるよね、、って思ったりする。まあ、これだけ裾野が広いから、日本なんかなかなか馬術で勝てるわけないよね。イギリスの郊外を旦那と二人でハイキングしてたら、いきなり馬に乗った人が現れて、普通に散歩しててビックリしたよなあ、、なんて風景を懐かしく思い出したりした。ミステリとしてすごく面白かった。おすすめ。オリヴァー&ピアシリーズの続編も読んでみたいなあ。