資生堂ギャラリーで“夢の饗宴”展


旦那が、「資生堂ギャラリーで“夢の饗宴”展やってるよ〜。メニューの展示とかあるらしいから、例のアントレ研究について何かわかるんじゃない?」と教えてくれた。
アントレ研究とは、、私が、フランス料理のメニューのアントレについて、ちょっといろいろ興味を持って調べていた時期があるので、そのこと。
20万アクセスありがとうございます! - himekaguraの日記;ibid.
↑詳しくは、去年の4月13日の日記など読んでいただければわかるのですが、簡単に言うと、フランス語で入り口と言う意味のentrée(アントレ)が、フランス料理のメニューの中で歴史的にどう変遷してきたのか、ということ。というとちょっと大げさだけど。
今、少なくともフランス本国でメニューを見ると、ほとんどの場合、アントレはオードブルと同じ意味、つまり前菜として記されている。でも、20世紀の初めくらいまでは違っていたらしい。
ということで、実際のメニューが展示されている資生堂ギャラリーへ行ってきた。
場所は資生堂本社にあるのかしら、、と会社に出かけて行き、受付嬢に聞いてみたら、資生堂ギャラリー資生堂パーラーの地下一階にあるとのこと。それにしても、さすが資生堂。受付嬢は超美人なお姉様だった。

で、“夢の饗宴”展では、本当に1800年代後半から1900年代初頭のいろいろなメニューの実物が展示されていた。
たとえば、1904年のレストランマキシムのメニュー。
構成は1.Porages,2.Hors-d'oeuvre,3.Poisson,4.entrée,5.Roti,6.Froids, 7.Legumes,8.entremets,9.Fruits
(1スープ、2オードブル、3魚料理、4アントレ、5肉ロースト、6冷たい料理、7野菜、8デザート、9フルーツ)
これ、、全部食べるの??全部一品ずつ食べたかどうかはわからないけど、晩餐会のメニューはものすごい品数。
で、肝心のアントレだけど、たとえば仔牛のカツレツ、仔羊のグリル、ラムチョップ、鶏レバーのプロシェットなどなど。やっぱりこの頃は肉料理だったんだなあ。で、その肉料理の後に、まだ肉のローストが続くわけだ。なんかすごいボリューム。
それが現代のフランスでは、メニューも簡略化されて、アントレはそもそも本来の入り口の意味である前菜になったということかあ、、。
いろいろメニューがたくさんあって、ひとつひとつじっくり読んでとっても楽しめた。
一番驚きのメニューだったのは、普仏戦争の影響で食糧不足になっていた1870年のパリの高級レストランメニュー。
食糧不足のために、パリの動物園の動物を食料にしちゃったらしいんだけど、メニューの中身が、馬肉のアラモードとか、犬のシチューとか、ローストはラバのローストや象肉のローストとか、、。そこまでして高級レストランを開く必要があったのかどうか、、とも思うんだけど。あと、メニューには、「お客様はご自分でパンをご持参下さい」ともあったりした。
昔のメニューってじっくり読めば読むほど面白くて、とっても興味深い展覧会だった。