テレビあれこれ

今週も、ミスマープルを録画して、毎晩楽しく見ている。『青いゼラニウム』も、すごく面白かった。クリスティらしい作品。ああいう、事件を一緒に振り返って、経過をたどりつつ推理をしていく、、という展開はとても面白くて好き。ピンクの壁紙が青に変わるトリックも、なるほど〜と言う感じ。今だと鑑識がいろいろ調べるから、こういうトリックも難しいだろうけど。
そして、クリスティ作品を見てると、本当にヒロインがものすごく美人って事が多いなあ。イギリス女性ってこんなに美しい人が多いのかしら?と思うくらい。『チムニーズ館の秘密』のヒロインも、まあ非の打ち所がない美女ってこんな感じ?と思う、ブロンド美人だった。美人のヒロイン、美しい風景、お屋敷の調度品、いろんな小物類、そういうのを見てるだけでもうきうき楽しめるし。やっぱりクリスティシリーズっていいなあ。

私の中で一番ミス・マープルにぴったりのイメージの女優さんは、ジョーン・ヒクソンさん。彼女演じるミスマープルシリーズは、今も時々CSなんかで放映されてるけど、いかにもおっとりしたイギリスのおばあちゃん風で、「こりゃみんなこの上品でおっとりな外見にだまされるよね」という感じ。残念ながら、もうずいぶん前にお亡くなりになったみたい。でもまあ、いろんな人が演じるいろんなマープルは、それはそれで新鮮で楽しめるけど。
そして、今週でとうとう最終週のカーネーション。今日は、とうとうなんとあの周防さんの娘さんが出てきた。それを知った時の糸子の表情。あ〜、糸子ってやっぱり周防さんの事を、ずっと長い人生の間心の奥底に大事に秘めていたんだなあ、、というところを感じてしみじみと良かった。夏木マリさんの演技もさすがと思った。
NHKの公式ページに載っている、脚本の渡辺あやさんのインタビュー、とっても興味深かった。

糸子が、いわゆる不倫の恋をするエピソードがあります。連続テレビ小説というくくりの中で、ひとつのチャレンジであったとは思います。「カーネーション」はフィクションですが、モデルとなった小篠綾子さんの人生にある大きな出来事をないことにはできないと考え、お願いして書かせていただきました。
 とはいえ、非常に重い戦争の時代を書き終えた後、不倫というまた高いハードルがやってきたことに怖じ気づく自分がいました。そこで書く前に、周防龍一役に決まっていた綾野剛さんと会わせていただく機会をもらったんです。いつもはこういうことをしませんから、それだけ不安になったんでしょうね。
 不倫とは決してすんなり受け入れられるテーマではないけれど、糸子の人生を描くにはここを絶対に越えないといけない。そのためには、「周防龍一という人物がいかに魅力的であるか」が何よりの課題でした。この人が魅力的でないことは、いわば「お化け屋敷の中が暗くない」くらいダメなことで(笑)。共感にも反感にも値しなくなります。ドラマを見ている人が糸子と同じように周防さんにひかれ、この恋にとびこむべきか、踏みとどまるべきか、その葛藤を一緒に体験できてこそ、描く価値もうまれるのだと思っていました。 

いやあ、見事に渡辺さんの思うツボでしたね。多くの世間の女性の心をわしづかみにするキャラを作り上げた渡辺さん、すごいです。まいりました。
最後の最後まで、目が離せないカーネーションも、もう今週で終わり。やっぱり寂しいな〜。心にぽっかり穴があきそう。