シルフ警視と宇宙の謎

シルフ警視と宇宙の謎 (ハヤカワepiブック・プラネット)

シルフ警視と宇宙の謎 (ハヤカワepiブック・プラネット)

ドイツのフライブルクが舞台っていう事で面白そうだから読んでみたミステリ。あらすじはこんな感じ。

物理学者ゼバスティアンは、提唱する「多世界解釈」理論をめぐって論争の渦中にあった。彼を鋭く批判していたのは、学生時代からの親友で天才物理学者のオスカー。親友との摩擦は、ゼバスティアンの望むところではないのだが…。ある時、テレビの科学番組でオスカーと激しく議論を戦わせた翌日、ゼバスティアンの息子リアムが誘拐される。犯人と思しき人物からの要求は、医療スキャンダルの秘密を握ると噂される妻の同僚を殺害することだった。息子を救うためゼバスティアンは要求に従うことを決意する。だがなぜ、ゼバスティアンが選ばれたのか?天才警視シルフの捜査は、事件の悲劇的な真相を明らかにしていく。ドイツ文学界の新星が放つ哲学的ミステリ。

誘拐事件、殺人事件が起こったりするし、警視も捜査したりするんだけど、そのストーリーの幹の上に、パラレルワールドや、量子力学、物理の話なんかが展開していて、なんだかゼバスティアンが説くパラレルワールドは、哲学的でもあって。ちょっと話の展開が難しかった。理解しにくいところも有ったりして。でもそれがそれでまたすごく面白い。パラレルワールドや物理の理論がいっぱい展開されているわりに、殺人事件のきっかけは「え??」と思うような間違いだったりして。う〜ん。なるほどなあ。この世界観がとっても面白くて、楽しめた。オスカーとゼバスティアンの、まるでBLのような関係もなかなか素敵だったり。いろんなシーンを思い浮かべつつ読むのも楽しかった。この作品は、たぶん好き嫌いの分かれる作品かな、、とも思うけど。私はとても面白く読めた。