前略おふくろ様

前略おふくろ様、前にも書いたけど、ショーケンが主演で1975年から1977年まで放映されていたドラマ。倉本聰の脚本をそのまま本にしたシナリオブックを、この前part1を読んだんだけど、今回はpart2の方を読んでみた。part1が全26回、part2が全24回。今のドラマが普通1クール10回〜12回だから、かなり長いドラマだったんだね。シナリオ本もpart1part2で各2冊、全部で4冊だった。
ドラマ放映時はちょこちょこっと見たくらいで、あまりはっきり記憶に残ってなかった。でもシナリオでpart1を読んでとても良かったので、続きを読んでみた。part2は、part1以上に私の胸にぐっときて、すごく感動したし、いろいろ惹かれるポイントがいっぱいだった。
ショーケン演じる主人公のサブちゃん。なんだか頼りないな、、って思ったり。はっきりしろよ!と思ったりしたこともあるんだけど。よく考えたらサブちゃんは、26歳とかそのくらいなんだよね。そりゃ頼りなくてもしかたないや。かすみちゃんとうまくいかなくなったのは残念だったけれど、だんだん面倒くさくなってくるのもわからなくもなかった。今の視点で見ると、マザコン?と思ったりするけど、この時代はこのくらい親思いだったのかもしれないなあ、、って思ったり。物忘れがひどくなったり体調を崩したりする母親の事が心配で仕方ないみたいで、そっちが気になって、その他のこと、恋愛などがうまくいかないのは、仕方なかったのかも。
ようやく仙台に移って給料も上がるから母を引き取れる、、という話が決まった矢先に、肝心のお母さんが亡くなってしまって。そのあたりを電車の中で読んでいて、ついつい泣けちゃって困ったよ。こういう泣ける本は危険だね。
それと、恐怖の海ちゃん。桃井かおりが演じてて、本当ピッタリの役だな、、って思ったんだけど。途中までずっと、私は海ちゃんに腹を立ててることも多く。だってあんまり自分勝手な気がして。でも、最後の方で、その海ちゃんにもやられちゃった。
サブちゃんが、あまりにも勝手な事ばかり言ったりしたりする海ちゃんに腹を立てて、説教した時の海ちゃんの返した台詞。
「お兄ちゃんは神様?」「海は人だから−−うまくいかないよ。」「ましてボロボロの−−ボロボロの時にさ。」なんだかね。海ちゃんやっぱり良いなあ、、って思った。好きな人とダメになりそうになって、喫茶店で毎日待ってたり(今だとストーカー扱い?)、その後自殺図っちゃったり。なんだかんだ言って、まっすぐなんだよね。まっすぐ過ぎるというか。母が亡くなった後、別の女性と暮らし始めた父親と大げんかして縁切った!って言ってるわりに、親戚のおじさんが父親の悪口言ってたら、ビールかけて蹴飛ばしちゃうとか。やっぱ海ちゃんは赤名リカっぽいなあ。すぐ身近にいると迷惑かもしれないけど、遠目に見てるにはすごく好きなキャラだ。
最後に利夫さんが、海ちゃんに何十年でも、爺になっても海ちゃんのこと深川で待ってるって言ったシーンにも思わず泣けた。で、半妻さんはサブちゃんを待ってるって。そして4人で若い奴らに嫌われる頑固な年寄りになろうって、、。なんかぐっときたなあ。
なんだか、今まであんまり倉本聰のドラマを見てなかったんだけど。『北の国から』も見てないし。でもやっぱり倉本聰ってしみじみ良い脚本書くなあ、、って今頃思った。