- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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ホームメイドケーキって、どこかもっさりしてて垢抜けなくて、あんまり美味しくない、、って私の感想と一緒かも。あの生クリームのイチゴデコレーションケーキ、昭和の頃に母親が手作りしてくれたものって、やっぱりパティシエの作ったケーキとは別物だったよね。子供の頃はあれが美味しいと思ったんだけれど、ある程度大人になってきたら、私の場合高校生くらいになったら、外で買ったケーキの方がずっと美味しいという事に気づいてしまった。『薄闇シルエット』の中では、そのホームメイドケーキが、母の価値観の象徴のような形で出てくる。娘は、ずっと子供の頃から母親の価値観に影響を受け続けてるんだけれど、ある程度大人になってきたら、母の価値観とは違ういろんな価値観が世の中には存在することに気づく。もっと違う、もっと魅力的な世界が外にはある、、とだんだん娘が気づいていく、という事の象徴。それがホームメイドケーキみたいで。それはまさに私の実感。この母娘の関係って私にもすごく当てはまるなあ、、なんてしみじみ思った。母娘の関係っていつも微妙なものだと思う。少なくともうちの場合はそうだ。
角田光代の小説って、読んだことなかったんだけれど、世代的にもちょっと共感できそう。いつか読んでみようかな。グレーテルのかまどで今回作っていたホームメイドケーキは、本当になつかしかった。そうそう、こういう見た目だったよなあ、、なんてね。
それにしてもヘンゼル役の瀬戸康史って器用だよね。どこまで本人が作ってるかはわからないけど、成型途中の手つきを見ても、なかなか器用だなあって思う。この前、『チューボーですよ』に出て小籠包を作っていたけど、やっぱり成型がとても上手で、堺正章よりだいぶんきれいに形作っていた。あれってきっとグレーテルのかまどの成果だと思うんだけど。